相手は過去に誰も交戦した事のない、『亡者』という未知の存在だ。

ここにいる誰も、生ける屍との戦闘経験はない。

死者がどういった戦術をとってくるのか、そもそも戦術などというものを持っているのか。

誰も知らないのだ。

亡者との戦い。

口にすれば馬鹿馬鹿しいと一笑に付してしまいそうな我が目を疑う現実が、バリケードの向こう側には広がっていた。