死神と呼ばれた少女



文化祭当日。
私は客寄せということで教室の外で人を呼び寄せていた。

「いらっしゃいませ…っ」

恥ずかしいような怖いようなでびくびくしながらチラシを配る。大抵の人は入ってくれていた。かなり入ってきた頃、メールが来た。

『謙也さん
今から行く。待ってろ!』

了解メールを送り、友達に代わってもらう。中の接客をしながらちらちらと入口を見てしまっていた。客にリクエストされ、厨房に入り簡単にホットケーキを作る。

「…お待たせしましたご主人様っ 私特製の手作りホットケーキです」

皿を置いて、他の接客に移ろうとしたとき。テーブルに居た二人の男組の片方に腕を掴まれた

「…どうか…なさいましたか、ご主人様」
「…変わったな、お前も。」
「そうだねぇ…」
「…な、誰です…?」
「忘れたのか?…俺たちが育ててやったのに」
「ほんと、恩を仇で返すみたいだね」

男二人は帽子とフードを取る。
片方は黒髪に銀のメッシュを入れたイケメン。反対は蜂蜜色の髪をしたタレ目のイケメン。

私はお盆を落とした。両手で口元を押さえる

「…おっ、蒼〜…蒼?」

ちょうど来たのか、袴姿の謙也さんが来て我に帰り不思議な男二人組をつれて準備室にはいった。

「…ったく強引だな…」
「本当だよ…」
「…なんで、居るんだ」
「決まってんだろ、お前を見に来たんだ。な、蓮」
「ああ。仕事休んで来たんだぞ?勿論蘭丸もな」

「来るなよ…兄さん」


そう。こいつらは私の実の兄だ。10歳も年上の双子。兄の黒髪メッシュは鎌首蘭丸(カマクビランマル)。職業はタレントや俳優、声優まで。弟の鎌首蓮(カマクビレン)は社長。有名な不動産屋を構えているが最近他のことにも手を出したらしい。

ちなみに劇的シスコン。

「それよりさっきの袴男はなんだ?彼氏か?」
「そうだよ、何だいあいつは」
「彼氏だよ…私もう行くから。」

二人を置いて表に出ると角の席に謙也さんがいた。駆け寄るととりあえず向かいに座るよういわれてしまった。

「…で、何かあったんか?」
「いえ…その」
「こら。彼氏に隠し事なんてしない!」
「…分かった…あの二人は、私の兄…なん、だ。私が生まれてすぐに母と父が死んだから…二人が貯金を使って育ててくれたんだ」
「…!親代わりってことか…名前も?」
「名前も二人が。いま二人は26…で、社長業と俳優を…」
「えっ…ご、ご挨拶とかした方がいいんじゃねえか!?」
「い、いいよ、また、今度で!」
「そうか…まあ、今は少し息抜こうぜ、なっ」
「はい」

無邪気な笑顔に毒気を抜かれてしまった。