あの日から幾日か経った。
あれから何度かキスもしたしデートもした。ようやく十一月が終わる頃。
「なあ蒼」
「…はい?」
私を膝に乗せた謙也さんは後ろから抱きつきながら声をかけた。カップを落とさぬよう気をつけながら返事を返す
「うちの学園ってよぉ、文化祭があるんだが」
「え…知らないんですが」
「ない学園として紹介してるからな。サプライズらしい。…でよ、文化祭の日一緒に回んねーか?」
「もちろんいいですよ。謙也さんのクラス二年三組でしたよね。…見に行きますね」
「〜っくそぉ可愛い奴だな…俺も見に行く!入れ違いになんねーようにメールすっからよ」
「了解です」
文化祭があるらしい。向き合ってココアを啜ると「美味いか?」と微笑みながら聞かれた。頷くと髪をなでられた。
「…文化祭は初めてです」
「そうなのか?まあ、クラスに慣れてきただろうし…楽しめ楽しめ!」
そう。実はいじめは謙也さんの手により解決されていた。嬉しいばかりだ。クラスにも慣れてきたし謙也さんの言う通り楽しみたいとさえ思っている。
楽しみになってきた。
ーーー
翌日。
「はーい今日は文化祭の出し物を決めるぞ
意見のあるやつ、挙手」
「たこ焼き!」「焼きそば!」「喫茶店!」「雑貨屋さん!」
「挙手ってんだろ…」
委員長が切れそうな中、肘をついた八犬がぼそっと一言
「劇かメイド、執事喫茶だろ…」
呟かれた言葉に女子たちは賛成していき、結局奉仕喫茶になってしまった。エースは推薦で私と八犬らしい
「…私はできない」
「大丈夫!大体あたしたちがやるし服も作るよ!鎌首さんはリクエストとかアドバイスとかでいいわ!」
「…それくらいなら」
押し通されてしまったことに後悔しながら採寸された。どうせメイド服なんだ。買えばいいのに。心に秘めて偶然出会った謙也さんと帰った
「…謙也さんの所はなんになりました?」
「俺んとこはなー和風喫茶?らしい。」
「…着物とかですか?」
「そうだな。抹茶、和菓子、着物。お前んとこは?」
「私の所は…、奉仕喫茶です」
「なんだそれ?」
「…執事とメイドの喫茶です」
謙也さんは驚いた顔をしてフライパンを動かす私に抱きついてきた。
「お前のメイド姿なんて誰にも見せたくねえ…」
「私も謙也さんの着物姿みたいです…お互い我慢ですよ。」
「そうだよなぁ…俺リーダーんなっちまったし」
「私も…エースで。」
「おっ!なら一緒に帰れるな!」
「私が迎えに行きますね」
「あー、俺が先に終わったら迎え行く」
「了解です。」
さらに楽しみだ

