死神と呼ばれた少女



翌日、私は三人が起きる前に朝飯を作り、食べた。謙也さんが起きてきて褒めてくれた。嬉しかった。謙也さん、寝間着かっこよかった。

私は皿の片付けをして制服に着替えたりと身支度を整えた。リビングに戻り、謙也さんが皿を洗い終わったところに出くわした。

「美味かったぜ!さすが俺の将来の嫁だな!」
「ありがとう…ございます」
「頑張って敬語なくせよ〜」
「は、うん…」


後の二人も大喜びして朝飯を食べてくれた。
よかった。明日は和食にしよう。カバンを持って玄関に向かった。

「…お、蒼、早く行くのか?」

謙也さんがカバンを持って出てきたので首を横に振る。謙也さんはじゃあどうした?と聞いてくる。

「…用事もないから、謙也さんと行く」
「っ…おう…すぐ用意する」

照れたように部屋に消えた謙也さんを可愛く思う。私はいつものローブをかぶってマスクも準備した。謙也さんはローブのことは聞かず、「行こう」と優しい声色で言ってくれた

ーーー

途中まで手を繋ぎ、学校に着くとお互い離れた。少し遅めだからか人の出入りは少ない。下駄箱には私達しかいなかった。

私は謙也さんの制服のすそを引っ張った

「ん?」
「…三時間目、終わったら…屋上に」
「ああ。また一緒にサボリだな」

頷いて、顔をあげた。決意を決めた顔を見て謙也さんは驚いたようだった。私は背伸びして頬にキスしてやった。固まる謙也さんを横目に「じゃあまたお昼」と囁いて教室に向かった。

相変わらず酷いクラスだ。私の教科書はズタズタだし買った本も読めなくなっているし。終いには体操服がサヨナラしていた。

「…探すか」

先生に伝え、探し始めた。教室、ロッカーなどありとあらゆる場所を探してもない。仕方なく校庭に出た。花壇の側に土と足跡がついた私の体操服が捨てられていた。拾って見ると破けている。

「…あーあ…」

それらを拾って教室に戻り袋に戻して持ち帰る事にした。多分謙也さんにはバレていないだろう。いや、バレていたとしても今話しかけていないからいいだろう。また体操服を買わなければ。

時間を見るとそろそろ三時間目が終わる頃だったので荷物を持って屋上に向かった。まだいないようだったので屋上のフェンスの向こうに立ち下を見下ろす。

「…馬鹿ほど高い所が好き…ってね」

ギィ…

「蒼?…蒼っ!?」

謙也さんが来たのか、私を見つけて駆け寄ってきた。私は軽々とフェンスを超えて謙也さんの隣に降り立った。

「謙也さん」
「馬鹿野郎!なんで外に行くんだ!」
「や、その…ッなんか、吹っ切れちゃって」
「…心配かけさせんなっ…」

ぎゅうっと抱きしめられ、自然と口から「ごめんなさい」と出ていた。謙也さんは腕に強く力をかけた。

「…あり、がとう」
「いいから…二度とすんなよ…」
「…うん。」

私は謙也さんの背中に腕を回して抱きついた。少しだけ密着する。

「…座ろうか」

謙也さんが腕を離したので私も離して、フェンスから少し離れたところに座った。私は袋からお菓子と弁当箱を出した。さっさと謙也さんの隣に行くと肩を抱き寄せられた。

「おお…」
「…食べましょう?」
「おうっ!」

ーーー

ぽりぽりかりかり。

ポッキーとかなんやらを食べて口が甘い。謙也さんはプリッツを食べているから塩っぱいだろう。

私は先程きめた。
今、キスすると!

とりあえず、ねだればしてくれるはず。
あれ…待てよ…ねだるってどうすんの?

まあ、できることから頑張ろう!


謙也さんの床についた手に指を絡め、顔をあげた時に目を合わせて目をつむる。

ど、どうだろう。
すると少ししてからふに、と柔らかい感触を唇に感じた。

「っ…謙也さん…」
「さ、誘ったのはそっちだぞ!?」
「は…はいっ。」

謙也さんは赤くなりながらポッキーを私の口につっこんだ。謙也さんはその反対を噛んだ。
これは…俗に言うポッキーゲーム…!私も意を決して少しずつ食べていく。近くなってきた時、目をつむる。すると謙也さんは私の後頭部を掴んで私の唇に口づけた。少し長めのキス。少しすると角度を変え、口内に侵入してくる

「んっ、んん…」

どうにも表現し難い感覚。熱い。浮遊感。浮上感。

「っは、んむ、んんっ…ふ、はぁっ」
「は…、」

謙也さんはまた私を抱きしめた。
…幸せだ。