死神と呼ばれた少女



キッチンにあった物でオムライスを四つ分作り、謙也さんに名前を書いてもらった。
私のオムライスなのか「そう」と書いてあるオムライスがあった。テーブルにあとの二つは置いてあるようで見えない。謙也さんのオムライスが残っていたのでそっと「けんやさん」と書いて持っていった。案の定喜んでいた。

ガチャ──


あとの二人が帰ってきたらしい。
驚いて謙也さんの隣で背筋をのばした。
謙也さんは少し笑って髪をなでてくれた。

「だーいじょうぶ。良い奴らだからよ!
お帰りー八犬、菖蒲ー」
「ただいまです島津先輩!」
「たっだいまーけんちゃん!」

テンションに戦(おのの)きながら息を吐いて振り返った。
そこには、ボブカットの女の子とクラスメイトがいた。

ーーー

「…あ」
「ん?…あぁあぁぁ!!!」

八犬が私を指さした。私はいつものポーカーフェイスに戻って話は別だと思い迎えに行った謙也さんの隣に立つ

「…駄犬」
「お嬢!?なんでここにっ!?」
「…悪かったな、越して」

隣の愛らしい先輩に頭を下げて、謙也さんと目を合わせた
というより見上げた。

「八犬と知り合いなのか?」
「…席が前後ろです」
「ほーぉ。んで、テンション下がったのか」
「……まあ、そんなとこです」

八犬は未だ驚いているらしかった。女の子は私の目の前に来て私の両手を包んだ。ぞわぞわと背骨が浮くような感覚が走った

「かーわいいね!引っ越して来たのかな??
わたしは菖蒲ハルナ!二年だよっよろしくね!」
「…ぁ…よ、よろ、しく…」
「あー…菖蒲、離してやれ。人肌がダメなんだってよ」
「えっ!?それはごめん!」
「いえ… 」
「てっ、てかお嬢昼休み大丈夫だった!?何で帰ってこないのさ!つーか何で私服なの!?何も言わずに引っ越して来るなよ!先に言えよぉっ!?」
「…煩い」
「酷いっ」

騒がしい八犬を横目に謙也さんの服を摘んでオムライスの方に指を指す

「ああ、晩飯出来てるから手洗ってうがいして着替えてこい」