ある冬の昼下がり。

ピンポン。

ピンポンピンポンピンポン。

「はぁい」

とたとたとた。がちゃり。

「え」

そこにいたのは、雪乃だった。

「ごめん…ちょっといい?」

コトン。

一応、紅茶を入れてみる。

「なんでアポなしで来るの…」

「ん、ん、ん。ぷはーっ。美味〜い」

「ちょっと、聞いてる?」

「うん。実は…」

沈黙。

「早く言ってよ」

「両親が…離婚した」

「え…」

「んで、帰る家無くなったから…」

「無くなったから?」

「ここに、居候させてほしい」

ガラガラガラ。

「いいよ」

「母さん…!イギリスに居るんじゃ…」

「話聞いて急いで帰ってきた」

「誰からですか…?」

「君の母さん。相当心配してた」

「母さんが…」

「で、うちに居候したいんだって?」

「はい」

「いいよ。そのかわり千冬と同室ね」

「はぁぁ⁉何でよ!」

「だって部屋ないから」

「…」

「分かりました」