青い春

 
 「んと、」

 鞄からメモを取り出す。

  

  “蒼井波瑠”


 と書いて2人に見せた。

 「なんか、きれいな名前だね!」

 天使のような笑顔で葵が言った。

 「波瑠!メアド交換しよ!」

 奏平が突然言った。

 ずるい、わたしも!って葵が言った。

 「俺も俺も!」

 はいはい、順番にいこうよ。

 って、君は誰だ!?

 「りく~!間に合ってよかったね」

 葵が言った。

 「陸人もっと早く来いよ~。てか、ちゃっかり混じんなよ!」

 と、奏平が笑った。

 キョトンとしていると、

 「あおはる~!俺、工藤陸人!よろしく!」

 「よろしく?あおはるって?」

 ぶんぶんと握手をされる。

 「君のことさ!あだ名あだ名~」

 いや、ドヤっとされても…

 騒がしいやつ。嫌いじゃないけど。

 「あ!もう始まるよ。波瑠いこ!」

 葵が時計を見て言った。
 
 「うん!」

 葵と廊下に出て並んだ。

 友達できた。

 みんな、いい人そうだし。

 よかった。

 ほらね、変われた。

 わたしでも変われるんだ。