青い春


「あ、隣の席の人だ!」

 うん。そうだね。

 「えっと、新城くん?だよね。」

 「なんで知ってんの!?」

 ガタッ!っと勢いよく立ち上がった。

 「いや、みんな騒いでたから。」

と、廊下のほうを指差す。

 てか、立ち上がらなくてもよくね?

 びっくりしたし。

 「そっかー。奏平でいいよ。“奏でる”に平凡の“平”。」

 「奏平。あ、蒼井波瑠です。」

 「おー。あおいはもういるから、波瑠って呼ぶね!」

 葵のこと知ってんだ?

 「同中なの。わたしの隣の人も。」

 まだ来てないけど、と言った。

 「あおいはるって青春みたいだね。」

 はい??

 何言ってんだと、思いながら葵と顔を見合わせる。

 「ほら、青い春って漢字で書くと…」

 「そういうことか~。確かに!」

 うんうん、と葵がかわいく納得してる。

 「でも、漢字違うし…」

 そう、残念ながら。

 「どう書くの?」

 教えて~、と奏平が言った