あの卒業式の日------
「神崎くん、話があるの。」
これで会うのが最後だから、告白しようと思って話しかけた。
「直、告白か?!」
「えー、蒼井かよ」
「神崎くんかわいそう」
なんて周りが騒ぐから。
「お前ら、やめろよ。そんなんじゃねぇって。
“蒼井の告白なんて、ありえねぇよ”」
さすがに傷ついた。いくらなんでも。
「影が薄い」より、「怖い」よりも。
好きな人だったからこそ深く傷ついた。
だから言ってやった。
「神崎くんが好きでした!」
って。
残念。君を呼び出したのは、わたしからの告白でした。
でも失敗。なんでこんなやつを好きになってしまったんだろう。
いいや、どうせもう会うことなんてないんだから。
忘れよう。

