あの後も、希姫は茶髪の人の事ばかり話していた。

「やばい、あんなにカッコいい人見たの初めてかも!」

「男なんか、どれも同じのしかいないでしょ。」

とあたしは、呆れながらつぶやいた。

すると希姫が、
「あ、そーだ!またコンビ二行こうよ!」

「今日?」
「うん!」

理由は聞かなくてもわかっていた。

「あの人に逢いたいから?」

「うん・・・」

と顔を少し赤らめながらつぶやいた。

あたしは、本当にあの人の事が好きなんだと思った。

顔を赤らめる希姫の姿を見て、羨ましいという思いもあった。

 でも、あたしはあの日から、男の人を愛するという感情を持たなくなった。
持てないと言った方が、今のあたしに合うと思う。

「分かった。じゃあ、4時ぐらいでいい?」

「やった!うん4時でいいよ!」

パッと顔を明るくさせて答える。

「はいはい。あもう少しで授業始まる!」

と、あたしは話を変えて、自分の席についた。