そしてあっという間に放課後。
「今井帰ろうぜ〜」
「あー」
ふと後ろを振り返ると、あの女がいた。
「…あのさ、」
「……えっ!」
「マスク外しなよ」
「…は…」
「………なんかムカつくから」
「なっ……」
無意識のままそう告げると俺は家路へ急いだ。




「…まじかよ」
翌朝、学校に来るとあの女がマスク女じゃなくなっていた。
つまり、俺の言いなりにしたと言うこと。
「……」
俺に気付き、口をひらくあの女。
「…ムカつかれたから、」
喧嘩を売っているような、そうではないような。
そんな口調で言葉を発し、俺の言葉を待つ女。
「…あ、そ。…でもさ」
「?」
「なんでマスクしてたの?」
「…だから」
「そんなに顔見られたくないの?」
「っ……何考えてるかわかられたくないから」
「……ふーん」
この会話に意図はなかったが、ますますあの女が気になっていた。
"何を考えているのか"