「何だよ、こんなところに呼び出して」

「あ、ごめんね。あのさ、これ……」


バッグの中からラッピングしたチョコを取り出して、勇気を振りしぼりそれを差し出したんだけど。


「俺に?もしかして本命とか?市原からって超ウケるんだけど。冗談だろ」


そう言って宮本は鼻で笑ったんだ。

一瞬、何を言われたのか分からないぐらいの衝撃を受けた。

宮本の放った言葉を理解した途端、私は悔しくて悔しくて堪らなかった。

涙が出そうになるのをグッと我慢し、唇を噛んだ。

ウケるって何よ!

ずっと大切に温めてきた自分の気持ちを踏みにじられ、悲しいよりも腹が立った。

どうしてこんな言われ方をしないといけないんだろう。
私はだた、好きだと伝えようとしただけなのに……。