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中学三年の時、バレンタインデーを間近に控え、私の周りは告白ブームだった。
中学を卒業し高校がバラバラになる前に好きな人に気持ちを伝えようと思ってる、と一人の友達が言い出した。
あの子が告白するなら私も……という風に増えていった。
それにつられ、私もずっと好きだった人に告白しようと思ったんだ。
その相手とは、宮本颯。
黒髪のサラサラヘア、目鼻立ちのハッキリした顔で背が高い。
バスケ部のエースで人当たりがよく、男女ともに人気があった。
宮本とは中二から同じクラスで、彼の周りにいた女子の中では私は一番近い存在だった。
だから私は完全にうぬぼれていたんだ。
もしかしたら……なんて。



