ホワイトデー当日。
今日の授業は午前で終わった。
しかも全ての部活は休みということもありチャイムが鳴ると、それぞれ友達同士でこのあとご飯を食べに行こうとかそんな話をしながら帰り支度を始めている。
宮本は話の輪に加わることなく席を立つと、チラリと私の方に視線を向けたあと、教室を出て行った。
それを見てバッグを手に持ち立ち上がると、麻耶がポンと私の肩を叩く。
「ゆかり、大丈夫?」
「うん、行ってくる」
「頑張ってね」
そう言って笑顔を浮かべる麻耶に見送られ、空き教室に向かった。
目的の場所につくと足を止め、気持ちを落ち着かせるために何度も深呼吸しドアに手をかけた。
ガラッ、
ドアを開けるとこちらに背を向けていた宮本がゆっくりと振り返り、ホッとしたように安堵の息を漏らした。
「市原、来てくれてありがとう」
「ううん、遅くなってごめん」
ドアを閉めて宮本のそばへと足を進めた。



