二年越しのバレンタイン


次の日、教室に入った瞬間にとんでもないものを目にしてしまった。


教室の窓際、前から三番目の席を囲むようにたくさんの人だかりがある。

私は、その中心人物に釘付けになった。


「おい、その頭、どうしたんだよ」

「うるせぇな、俺なりのケジメだよ」

「は?ケジメって何だよ」

「チッ、いいからほっとけよ」


柏木くんや他のクラスメートにさんざん突っ込まれる宮本。

それもそのはず。

宮本のトレードマークといってもいいほどの黒髪サラサラヘアがバッサリ切られ、スポーツ刈りになっていた。



「おい、めっちゃチクチクすんぞ!」

「バカ、触るんじゃねぇよ」


クラスメートに頭を触られて、その手を払いのけている宮本の姿。

みんなにからかわれるのを承知であんな髪型にしたんだろうか。

そんなことを考えたら胸が痛む。



「ゆかり、宮本くんがどれだけ本気なのか伝わってくるね」

「うん……」