二年越しのバレンタイン



「いい加減、前に進んだら?」

その言葉に俯いていた顔を上げ、麻耶を見た。


「余計なお節介かも知れないけど、少しでもいいから素直になってみたらいいんじゃないのかな。
二年前のバレンタインデーからゆかりの時間は止まってるんだよ。
夏輝にメールを見られた宮本くんも迂闊というか、運が悪かったとしか言いようがないけど」


「麻耶、知ってたの?」


「今まで黙っててごめん。夏輝のバカに全部話は聞いてたの。
ゆかりがチョコをゴミ箱に捨てたあと涙を拭いながら帰っていってたのを見てしまったって。
そしてゴミ箱からチョコを拾う宮本くんの姿を見て、自分は取り返しのつかないことをしてしまったんじゃないかって言って、次の日に私の家に来たんだ」


そっか、麻耶は全部知っていたんだ。

柏木くんに泣いてるところまで見られたなんて最悪だよ。