「あっという間に中学を卒業し、高校になってクラスが別れて接点がなくなり、ますます謝るタイミングを失った。でも、二年で市原と同じクラスになりどうにか話かけようと思っていたけど、なかなか切り出せなくて……」
だからって何でこの日に話しかけてくるのよ!
傷をえぐるようなことをしないで欲しい。
「今日しかないと思ったんだ。市原を傷付けてしまったあの日から二年経ったけど、謝るのはバレンタインデーじゃないとって」
「話は分かったよ。でも二年前のことだし、もう気にしてないから」
というのは嘘。
まだあの日のことを引きずっている情けない自分がいる。
だから宮本と二人きりでいるのは耐えられないんだ。
平静を装い、「じゃあ、」と言って教室を出ようと歩き出したら腕を掴まれた。
「ちょっと待って。まだ話は終わってないんだ。あのチョコ、すごく旨かった。ありがとう」
宮本は顔を綻ばせる。



