「そんな悲しい顔しないでよ」

「……」


何も答えられずに目を泳がせていると、背中の方でガタっと音がした。
すぐに振り向くとシュリが立ち上がり、教室の後ろに向かおうとしていた。


「シュリ?」

「あー…、今日は帰る」

「え」


私が声をかけるが、シュリは振り向く事なくそう言うと教室から出て行った。
慌てて追いかけようとする私の腕を掴むのはユウリだ。


「行かないで」

「でも」

「シュリが好きならいいよ。でも、そうじゃないなら行かないで」

「……」


シュリを好きかどうかはわからない。
それでも、放ってなんかおけない。


ただ、ユウリを置いて行く事も出来ない。


私はどうしたらいいんだろう。