「えっと、もうあの、これ。レナちゃんの家に行きたいんですけど」

「え」

「俺も、レナの家に行きたい」

「いや、ちょ、ちょっと」

「マニバトやりたい」
「マニバトやらせて」


見事にハモった二人の声。
そんなにマニバトやりたいのか。


「欲しくてゲーム屋何件もハシゴして完売で、それから中古屋ハシゴして、オークションもチェックしたけど…」

「値段があまりにも高くて、買えなかったんだよな」

「そーそー。だって、二万だよ?中学生だったし、親にも頼めなかったよね」

「ユウリが寝過ごさなかったら初日買いに行けたんだ」

「だって、こんなになると思わないじゃん」

「まあ、それでもうちの近くは予約でほぼ完売したらしいから初日並ぶのも大変だっただろうな」

「そんなレアだったの?このマニバトって」


二人の迫力に押されながら、そう尋ねる。


「そうだよ!知らなかった事に驚きなんだけど」

「レナちゃんが買いにいったわけじゃないの?」

「うん。お父さんが予約して買ってきてくれたから」

「すげえ」