雪は 青年の足跡を

軌跡を かき消して

音もなく 振り続いていた



青年にも

うずくまって 泣いている 少女の上にも


枯れ木の 細い枝にも

凍れる 川の水にも





貴い生命(いのち)の すべてを

包み込むように



そっと  

      そっと  ────………