数日後、さえちゃんは、全然学校に来なくなった。
一応、義務教育っていうやつだから、辞めたりは出来ないんだけど、
実際、来ないから…全然来ないから…

さえちゃんは、学校を

『辞めた』

んだ。


後で、ウワサを聞いた。
さえちゃんの。

「あの子、援交してるらしいよぉ。
汚いねぇ。
前からさぁ、汚い子って思ってたけどね。」


 援交=援助交際


そうか。
さえちゃんは、援交してたんだ…。
男の人、怖いおじさんと、派手なビルで
(あれは、いかがわしいホテルだったんだね。)

お金と引き換えに、
自分を捨てたんだ。

(行くとこ、なかったんだよね?
しんどかったよね?
私が、しんどいとき助けてくれたのに、なんで、
‘ただの’他人の言葉を信じたの?私は。
一番さえちゃんを知っていたのは、私じゃないの?
どうして、自分のことしか考えなかったの?
助けてもらったこと、なんで、わかんなかったの?
なんで?)


もう、遅いな、と、思った。

「友達」

だったのに、もう、呼び戻す力もないし、認めてももらえない。