ガラッという音とともに、担任と思われる男が入ってきた。
痩せ過ぎている上にオドオドしていて、いかにも臆病そうだ。
1人だけ突っ立っている俺を見つけると、その担任は首を傾げた。
「白峰さん、どうしたんですか?」
“自分の席を忘れた”なんて言えるわけがない。
俺は教室中に視線を巡らせた。
すると、1つだけ空いている席があることに気付く。
…多分姉ちゃんの席はあそこだ。
担任に「何でもないです」と苦笑いを浮かべながら言うと、そそくさと席についた。
そして何事もなかったかのようにHRが始まる。
……危なかった。
まだ1日は始まったばかりだというのに、体は既に疲れ切っている。
これが1ヶ月も続くのか……。
そう思うと恐ろしくなって、俺は思わず机に突っ伏した。
