「可愛いなぁもう」


サイドガラスから手が伸びてきて俺の頭を撫でる


ふいに撫でる手が止まった

真顔の貴志さんが見つめるのは俺の顔の横あたり


不思議に思い振り向くと笑顔の木下が立っていた

笑っているけど目の奥が冷めている

思わず身震いがした



「親戚の人?」

「え!あっうん・・」