ネクタイの色が青だから3年生か。


私は1年生だから2年も先輩だ。


そんな先輩が、何故この私を呼び止めるのだろう?


「…嫌?」


私が不思議に思って黙り込んでいると、先輩が首をかしげた。


「…いや、別に嫌ってわけじゃないんですけど…」


どうして私?


私、先輩の名前も知らないし。



「んじゃ、決まりね。来て」


先輩はそう言うと、私の手に自分の手を絡ませ、歩き出した。


「え?ちょっと!?」



誰も行くって言ってないんですけど?


てか、なんか手まで繋がれちゃってるし。


「…あのっ……ねえ!…」


私がいくら呼びかけても、先輩は振り向かない。


そしてそのまま私は、屋上まで連れて来られた。