気がついた頃にはもう原形をとどめていないほどズタズタになっていた。


部屋には真っ赤に染まった床。


吐き出すような鉄の臭い。


そして異常なほどまばたきをする由利。


「あ“‥‥び、病院に行かないと‥。」


自分がエンドと言われたことを思い出して、真っ赤に染まったワンピースのまま裸足で病院へと向かった。


通り過ぎる人々が皆驚いたような顔をして避けるがそれでも由利は病院へと走り続けた。


そしてついに病院へとたどり着いた時、由利は体のいたるところから血を吹き出して倒れ込んだ。



これが由利の最後だった。


《佐藤由利、愛犬がドッグエンド症候群にかかった為死亡。end。》