やっぱり人間というのはいつも愚かな考えを持つ生き物だった。
今にも滅んでしまうというその時の最後まで、愚かだ。



そして世界の壊れる音がして崩れ始めた。



少年はそれでも空を睨む。
今にも、泣きそうで壊れてしまいそうだ。
地が割れ、風はうなり空までも消えてゆこうとしているというのに、空にいるはずの神を睨んでいた。

だから、決めた。
だから、声にして少年に言った。


「神に…お前を神にしてやろう。」


少年は見た。
そして差しのばした手を掴んみ、なにもない絶望の中の不確かな希望を信じたのだ。


「お前に絶対の力と孤独をやろう。」





そうして世界は崩れていった。