『そっか、佑月んちに泊まりか。』



「お菓子食べて、夜更かししちゃいました。」




『はは。楽しそうだな。』



「はい!」




朝、真木先輩からの着信。
というか、おはようの電話。



“何かちょっと、ヤキモチかも。”



昨日の夜の誠二くんの言葉をふと思い出して、
慌てて頭を振る。




『吹雪?』


「な、何でもないです。」




電話の向こうで先輩がどうした?と心配しているのを感じた。




「今日はえみのお兄ちゃんに買い物に連れていってもらう予定なんです。」



『佑月のお兄さん?』



「はい。」




そう。実は今日、誠二くんに買い物に連れていってもらうことになったんだ。



“お兄様とデートしたくないか?”



朝から誠二くんが甘い笑顔で誘ってくれた。
あんな誘い方したら、嫌なんて言えるわけないよ。




『何か、すごい嬉しそうだな。』



「え?そ、そうですか?」




先輩にはそんな風に聞いたけど、ホントはめちゃくちゃ嬉しい。



『うん、…ちょっと、妬ける。』



「ええ!?」



先輩のまさかの発言に思わず大きい声を出してしまった。


や、妬けるって…っっ。



すると、先輩は冗談っぽく笑って『楽しんでこいよ。』って言って、電話を切った。




冗談だったのかな…分かんない。
でも、私良くないよね…。



先輩に失礼だ。

ちゃんと、先輩だけに向き合わなきゃ。