あぁ今、瞬きしたら絶対涙落ちちゃう。




「俺には今、早紀がいる。」




誠二くんは静かにそう言った。


そんなの分かってるのに。




「わ、分かったよ。もういいよ、誠二くん。
私が傷つかないようにって思ってるんでしょ?
だったら、もういいよ、誠二くんの答え分かってるからっ……」




これ以上聞きたくないっ。。


目を瞑って、目の前の誠二くんの胸を押し返そうとした……………でも、次の瞬間。




ーーーーーーギュッ。。




「俺は鈴ちゃんに隣にいて欲しい…。」




そう言うと、力強く抱き締められる。


あれ…?


な、んで?


ちょっと状況が掴めず、私はされるがままでいた。




「もう、答えなんてとっくに出てた。
……俺、鈴ちゃんのこともう妹みたいに見れてないから。」




ハハッと笑った誠二くんの声が耳元で響く。




「えっと…」



「あ、ごめん。」




誠二くんは力強く抱き締めていたことに気づいたのか、パッと身体を離した。



そして、向き合ったままスッと私と両手を繋ぐといつもみたいに優しく笑った。




「えっと、その…」



「ん?」



「期待…していいの?」




声が震えた。
怖くてなのか、嬉しくてなのか、何だかよく分かんないけど。




「期待…して?」



「ほんとに?」




問い返す私に、誠二くんは優しく微笑んだまま頷いた。



それってつまり…今までのドキドキも、さっきのドキドキも全部忘れなくていいってことだよね?



誠二くんへの好き、諦めなくていいってことだよね?



私は自然に笑みがこぼれた。
誠二くんと目が合って、微笑み合った。



ヤバイよ、どうしよ。
今、すっごく幸せだよぉ。。