ーーーーーガラッ



暫く星がチラホラ見える夜空を見上げていると、ガラス戸が開く音に振り向くと、




「誠二くん?」



「鈴ちゃん。」




軽く目を擦りながら、鈴ちゃんが顔を出した。



その姿を見ても、“あ、可愛いな”とかそんな風に感じてしまう自分がいてワケわからなくなる。




「誠二くん、
勝手に会社に来たこと怒ってる?」




隣まで来て、俺の顔色を伺うように首をかしげて聞いてきた鈴ちゃん。




「怒ってないよ。でも、ビックリした。」



「ふぅ、良かったぁ。怒ってたらどうしようかと思った~。」




隣でホッとして夜空を見上げる鈴ちゃん。



そんな時、ふと俺は隣へ手を伸ばす…




「……!!せ、誠二くんっ?/////」




気づくと、暗くても分かるくらい顔を真っ赤に染めた鈴ちゃんの頭を優しく撫でていた。




「やっぱり、鈴ちゃんちっこいな。」



「え~。クラスで背は高い方だよっ。」



「ははっ、そっか。」




俺が遠慮なく笑うと鈴ちゃんは、
“もう!不意打ちとかズルい!”なんて言いながら、拗ねて頬を膨らませた。



ごめん、俺も気づかない内に頭を撫でてた。





「さ、帰るか。」



「うん。」




それから、塚本専務と瞳さんにお礼を言って、マンションを後にした。



帰り際、塚本専務が鈴ちゃんに何か耳打ちしていたのが気になったけど…何だったんだろ。



家までの帰り道、隣を歩く鈴ちゃん。
俺の視線を感じて…上目遣いで見上げてくる鈴ちゃん。



俺はその視線を目をそらさず正面から受け止めると、決心して口を開いた。





「鈴ちゃん…あのさ、」






(*誠二sideおわり)