「誠二くん…好きだよ。
ずっとずっと前から、好き…。」
きっと言えないと思っていたこの言葉を伝えてしまった。
夢じゃない。
少し触れた指先の体温と、感触がそう教えてくれた。
こんなに胸がはち切れそうにいっぱいになったのなんて、初めて。
その戸惑った表情を見ちゃったら、もっといっぱいいっぱいになっちゃうよ。
暫く、沈黙が流れた。
「ご、ごめんね。いきなり言われてもホント困るよね。ずっと黙ってるつもりだったのに…
わ、忘れていいよっ。あのっ…。。(泣)」
その沈黙に耐えきれなくて、先手をきった私だった。
だけど、何故か涙が出て…
泣いちゃだめなのに。
泣いたら、誠二くん余計に困っちゃうのに…
ほら、涙でぼやけてよく分かんないけど、誠二くん困った顔してる…
「やっぱり、今の…なしっ…ッ…(泣)」
バカバカバカ。。
余計に泣いてどうすんのっ。
ーーーーーーーグィッ…
えっ…
一瞬何が起こったのか分からなかった。
ーーーーーーーーギュッ。
あれ?おかしいなぁ…
まさか、そんな…ねぇ?
「聞かなかったことになんか、そんなの
出来るわけないだろ?」
耳元で聞こえる優しい声。
「あーも…鈴ちゃん、泣くなよ。」
頭を撫でる優しくて大きな手のひら。
ピタッと涙が止まる。
そりゃそうだよ。
だって、だって
私、誠二くんに抱き締められてるっ。