「ん…。」







目を覚ますと
見慣れた懐かしい部屋。
ここは
昔使っていたホテルの一室だ。ということをすぐに理解するには少し時間がかかった。
手には温かい体温を感じる。
見ると
芦川さんが手を握って
椅子に座って寝てた。






「ずっと…。
看病してくれていたの…?」





問いかけると
芦川さんがピクリと反応する。
そして
寝息をたてる。







「ゆめちゃん起きた?」




扉が開かると同時に
小声で龍牙さんが入ってくる。







「芦川さん寝ちゃってますが…。」







「だって
ゆめちゃんのために徹夜してたんだもん。
凪さん。」






「へ…?」