つぼみ、ほころぶ


薄暗い部屋の中。ユウちゃんはあたしのことを、男の人の目で見つめて答えてくれた。


「どんなに欲情したとしても、今のチイとは絶対にしねえ」


「……今、の?」


「そう。今の……オレも含めて」


じゃあ、今がどうだったら、あたしたちはそうなってたんだろう。


あたしはまだ何も分からない。


ユウちゃんみたいに、分かってない。


「何で?」


「……オレを好きじゃないチイと、チイを本気で受け止める覚悟をしてないオレとじゃ……な」


「さっきたとえてくれた女の人と、あたしも一緒だから?」


それは違うと静かに首を横に振られ、そうして、何故かユウちゃんは、三ヶ月前にあったという出来事を語り始めた。