何かの本で読んだことがある。


手首にキスは欲望。手の甲は愛情。


場所とか意味なんて間違ってるかもしれないけど、そんなことはもうどうでもいい。


けど、今、あたしはユウちゃんに、そんな場所にキスされてる。


優しく丁寧に、その唇はあたしにキスを。


「っ、ヤダッ!!」


考えるのは限界で、ユウちゃんの手を振り解いた。


後ずさった先はすぐにふすまで、背中が当たる。もっと逃げようとしたけど、立ち上がり方を忘れてしまって動けない。


一歩分の距離はすぐに詰められ、ユウちゃんはまたすぐにあたしの近くへ。