つぼみ、ほころぶ

ケンカしてるふたりは放っておいて、再度個室へ。


「化粧品のパッケージって、いちいち全部可愛くて素敵ですよね」


「はい。実はさっきからずっと見惚れてました」


「そうなりますよねー。どれを使ってみたいとか、リクエストありますか?」


「いいえっ。超初心者なのでよろしくおねがいしますっ。いちから教えてくれたら嬉しいです」


「はい。こんな可愛い子の初めての本気メイクを手伝えるなんて本当にハッピー。外のふたりが思わず見惚れてしまうくらいに、頑張りますね」


あたしは、この短時間で完璧に惚れてしまった綺麗なお姉さんから、一語一句聞き漏らさないようにとメイクの基本を教えてもらった。