「……こんなふうにしてくれるんだったら、もっとちゃんとオシャレしてくればよかったな」
急かされたからとはいえ、大きな鏡に映ったあたしは、首から上だけは自分なりの合格基準を軽く飛び越えちゃってる。
「ああ。でも、お化粧してないから髪型だけが立派の間違いか」
ひとりで勝手にあれこれ落ち込んでたら、個室なものだから、その呟いた声はカズくんに丸聞こえだったみたいだ。
「――チイちゃん。時間もまだあるし、僕からじゃないけどメイクを習ってみる?」
楽しげに提案をしてくれたあと、カズくんは、さっきハーブティーを運んできてくれたお姉さんを呼んだ。
「基本をね、ちゃんと習っておくと応用が楽だよ。これはメイクだけに言えることじゃなく」
急かされたからとはいえ、大きな鏡に映ったあたしは、首から上だけは自分なりの合格基準を軽く飛び越えちゃってる。
「ああ。でも、お化粧してないから髪型だけが立派の間違いか」
ひとりで勝手にあれこれ落ち込んでたら、個室なものだから、その呟いた声はカズくんに丸聞こえだったみたいだ。
「――チイちゃん。時間もまだあるし、僕からじゃないけどメイクを習ってみる?」
楽しげに提案をしてくれたあと、カズくんは、さっきハーブティーを運んできてくれたお姉さんを呼んだ。
「基本をね、ちゃんと習っておくと応用が楽だよ。これはメイクだけに言えることじゃなく」



