「オレだって分からん」


「そっか」


「いや。多分分かってるんだ」


「どっちだよって、突っ込んでいいとこ？」


「それはもちろん――」


――ダメだと、頭を撫でられる。


「っ、ユウちゃんっ」


「アイツに訊かれた時、言葉に詰まったオレの部分が、急にチイを意識したんだ。今までとは違うチイに対する位置づけが一瞬にして出来上がっちまったんだ。――いくら己をコントロール可能になったからって、隠せるようになるのとは違うんだからな」


「……でも、それは好きっていう感情とは違う――」


「――ああ。それは、チイだってそうだろ？　OKは出せても、そこにオレへのそういう気持ちあるか？　全力で頷けるか？」


そんなことも、やっぱりお見通しだった。