蝶姫『は、離せ!!』

少女、蝶姫は俺を見てギョッとすると暴れる。
俺は今、姿を隠すこともなく
白銀の髪を晒していた


番頭(ベリアル)『すんまへん、旦那はん
躾のなっとらん禿で』

ベリアルはペコペコと頭を下げる

俺はふわりと笑えば蝶姫をおろし蝶姫の頭を撫でる


サクリフェル『かまわねぇよ。
なぁ、餓鬼……お前は良い女になるよ。
俺が保証してやる。
お前はこの花街で誰よりも美しくなる。
その身をその心を誰にも明け渡すなよ』


何故、こんなことを言ったかは覚えていない。
ただ、気が付いたら口にしていた。
俺は懐から短刀を取り出すと蝶姫に渡した

サクリフェル『此はお前を守ってくれる』

俺はそう言うとベリアルに笑いかけ
近くの屋根へ飛び乗った


蝶姫『なぁ!!あんたの名前は?!』

蝶姫は俺の方に向かって大声で問う


サクリフェル『俺の名前は………
また、今度だ……』

俺はそう言うとその場から消えた

正確には高く飛び上がった。
羽根を広げて、ね