シャッフル

『大学病院にいるの!今手術してる!ど、どうしよ……茜……茜が……』

 動揺した涙声の紗代里。

 倒れそうになる身体を奮い起こし、受話器を握りしめた。

「待ってろ!!俺もすぐ行く!」

 そう言うと、急いで電話を切り病院に向かう準備を始めた。

「森岡!すまないが少し出てくる!」

「え?ちょっ――常務!これから打ち合わせが――!」

「適当にしといてくれ!」

「えぇ!!ちょっ!常務ー!」

 森岡の叫ぶ声が後ろで聞こえてきたが、振り返る事もなく会社を出た。