シャッフル

 紗代里は封筒を彼女に渡すと立ち上がった。

「じゃあ、私用事があるから帰るわ」

「えっ!?ちょっ!紗代里!」

 ガタッ――!と勢いよく椅子から立ち上がる。

 そんな俺に紗代里は悲しげな顔で微笑む。

「騙してごめんなさい。私はノッポじゃないの……。あの楽譜は私のじゃない……茜のなの」

 ――!!

 そう言うと、紗代里は彼女に視線を向ける。

 彼女も訳がわからない様子で不安気な顔で紗代里を見ていた。

「茜。貴女の前では彼の事、あだ名で呼んでたけど本当の名前は…………鈴木 遠也って言うの」

「え……?」

 彼女は何故か驚いて、ゆっくり俺に顔を向けた。

「後は二人で話をして。じゃあまたね」

 紗代里はそう言うと、店を出ていった。