紗代里と昔話がしたくて話を振るが、「昔で覚えてないわ」と申し訳なさそうに言った。
確かに紗代里は転校してきて半年ぐらいでまた転校して行った。
当時の事は覚えてなくて仕方ないのかも知れない。
でも俺の事は「昔からモテてた」とか「運動が得意だった」など話してくる。
俺は知らなかったが紗代里は俺を知っていたのだろうか――?
紗代里に違和感を抱くも、いつもと変わらぬ笑顔で話す紗代里が嘘を付いているとは思えなかった。
――――――――――
――――――
「もう11時になるな。そろそろ帰るよ」
壁掛け時計を見てそう言うと、椅子から立ち上がる。
紗代里もゆっくり立ち上がると帰り支度をする俺に近づいてきた。
「ねぇ……」
ジャケットを着る俺の手を紗代里はゆっくり右手を重ねてきた。
確かに紗代里は転校してきて半年ぐらいでまた転校して行った。
当時の事は覚えてなくて仕方ないのかも知れない。
でも俺の事は「昔からモテてた」とか「運動が得意だった」など話してくる。
俺は知らなかったが紗代里は俺を知っていたのだろうか――?
紗代里に違和感を抱くも、いつもと変わらぬ笑顔で話す紗代里が嘘を付いているとは思えなかった。
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「もう11時になるな。そろそろ帰るよ」
壁掛け時計を見てそう言うと、椅子から立ち上がる。
紗代里もゆっくり立ち上がると帰り支度をする俺に近づいてきた。
「ねぇ……」
ジャケットを着る俺の手を紗代里はゆっくり右手を重ねてきた。

