はぁ……っとため息を吐くと、ベッドへ横になった。

 押し潰されそうになる周りからの期待、会社での疎外感、跡継ぎのプレッシャー、親との比較……。

 重い重圧が肩に課せられて行けば行くほど、自分自身が見えなくなってくる。

 大人になるにつれ孤独や不安で耐えきれない夜が増えてきた様に思う。

 大きくなれば心も身体も強くなると思っていた……。でも身体や態度ばかり大きくなって、肝心の心は何一つ変わらない。

 周りの視線に怯え、陰口に怯え、社会に怯え……。強くなりたくて、一生懸命勉強した。

 バカにされたくなくて爺さんに認めて貰いたくて、跡継ぎの使命として必死に勉強をして膨大な知識を得た――。

 それでも――……。

 怖くて……寂しくて……不安な夜は訪れる……。