シャッフル

「お母さんの誕生日プレゼントに作ったんだけど、要らないって言われたの」

 ノッポは寂しそうにビーズを見つめる。

「自分の娘が作ったのにそんな酷いこというのか?」

「私は本当の子じゃないから……。お父さんとね、去年再婚して私の新しいお母さんなんだ」

「だからって要らないとかないじゃん。新しいお母さんって鬼ババか?性格わるそーだな」

 そう不満気に言うと、ノッポは泣きそうな顔で無理矢理笑った。

「私は似てるだって。本当のお母さんの顔に……。だから嫌なんだって。プレゼント渡しても、そんな物要らないってゴミ箱に捨てられちゃった……」

 ノッポはビーズから焼却炉に潤んだ目を向ける。

「頑張って……作った……のに……。喜んでくれると……思ったのに……」

 我慢していた涙がボロボロ瞳から落ちると、ノッポは袖でゴシゴシ涙を拭いた。

 ノッポの気持ちが俺には分かる気がした――。

 近づきたいだ……ノッポはお母さんと、俺は爺さんと――。

 でも分かって貰えない、認めて貰えない寂しさが自分を追い詰めていく――。