「おい。こんな所で何やってんだ」
そう話しかけると、ノッポは俺に顔を向ける。その顔はどこか切ない様にも見えた。
「別に何も……。君こそなんでここに?」
まさか逆に質問を返されるとは思ってなくて言葉を詰まらせる。
「俺は……要らなくなった物を燃やそうと思って来ただけだ」
そう言うと、楽譜を持っている右手に力が入った。
「そうなんだ……。要らない物ってそれ?」
ノッポは俺が持っている楽譜に目をやると音譜が垣間見えたのか「それって……楽譜?」と、聞いてきた。
「ああ。ピアノ習ってたんだけど、俺は大きくなったら会社を継いで社長になるんだ。だからピアノなんかしてる場合じゃないんだよな。勉強したいし」
そう強気で誇らしげに言った。
どこにプライド持ってんだか……。
本当は辞めたくなかった癖に、社長になりたくない癖に……俺はピアノのせいにして、自分を正当化した――。
そう話しかけると、ノッポは俺に顔を向ける。その顔はどこか切ない様にも見えた。
「別に何も……。君こそなんでここに?」
まさか逆に質問を返されるとは思ってなくて言葉を詰まらせる。
「俺は……要らなくなった物を燃やそうと思って来ただけだ」
そう言うと、楽譜を持っている右手に力が入った。
「そうなんだ……。要らない物ってそれ?」
ノッポは俺が持っている楽譜に目をやると音譜が垣間見えたのか「それって……楽譜?」と、聞いてきた。
「ああ。ピアノ習ってたんだけど、俺は大きくなったら会社を継いで社長になるんだ。だからピアノなんかしてる場合じゃないんだよな。勉強したいし」
そう強気で誇らしげに言った。
どこにプライド持ってんだか……。
本当は辞めたくなかった癖に、社長になりたくない癖に……俺はピアノのせいにして、自分を正当化した――。

