シャッフル

 声をかけるタイミングを失ったままでいると、俺の後ろを処置台を押しながら看護師が通り過ぎて行った。

 ガチャガチャと器具の音を立てながら。

 その音にハッとしたように彼女は顔を上げた。

 あっ――。

 そしてドアを開けたまま突っ立っている俺に気付いた。

 一瞬驚いた顔をしたが、直ぐに手で涙を拭い俺に笑いかける。

「鈴木君。来てたんだ。こんにちわ」

 いつもの笑顔で俺を迎えてくれる彼女。

 その姿を見ると凄く――胸が痛かった……。