シャッフル

 だが――。

 その笑顔が本当の気持ちを隠していたなんて……その時の俺にはわからなかった。

 彼女が必死に強がっていたなんて……。

 今思えば、なんて浅はか考えだったんだろう。

 明るく笑っているから彼女は大丈夫――だなんて……。


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 少し早く着いたな。

 腕時計を見ると、2時45分を指している。

 面会時間は午後3時から。

 華やかにフラワーアレンジされた小さな花籠を持って、ナースステーションの前で3時になるのを待っていると、看護師さんが「面会ですか?どうぞ」と声を掛けてくれた。

 お礼を言うと、彼女の病室へ向かう。

 明後日は彼女の退院が決まっている。

 早く「おめでとう」が言いたくて逸る気持ちを抑え彼女のいる病室へ向かった。