「よしっ、ユナ泳ぎに行こー!」
ビクッ
いつの間にか先生の話は終わっていて解散になっていた。
「ユナ?どうしたの?気分悪い?」
「えっ、ううん大丈夫!緊張しすぎて少し疲れちゃっただけ!」
「…そう?無理しちゃダメだからね?何かあったらすぐ私に言ってね」
「ありがとう!」
みおに心配かけちゃった。
ダメダメ!みおは関係ないんだから!
それにフラれたわけでもないし、好きなわけでもないし!
推しに彼女がいただけで親友に心配かけてどうするんだ!
そうだよ、推し!
まだ好きじゃない。
かっこよくて優しくて、そう、推しだったんだ。
自分の気持ちに言い聞かせみおと泳いでいた。
「きゃー、やっぱり水冷たいの慣れなーい」
「菜緒脂肪ないから余計寒いんじゃないのー?」
「そんな事ないもんー!」
隣のレーンで泳ぐ菜緒ちゃんたちの声が聞こえた。
「…可愛いなぁ」
「え?」
やばっ、声出ちゃってた。
「えーと、1組の子…だよね?」
「はい!えと…、渡辺ユナって言います…」
「ユナちゃんね!私菜緒って言います!ごめんね、声聞こえて反応しちゃった」
へへっと照れたように笑う菜緒ちゃん。
いや、可愛い…。
「更衣室で会った時から可愛いなって思ってて…、ごめんなさい、いきなりこんなこと言って…」
「え、ううん全然だよ!私すごく嬉しかったもん!それに私もずっと気になってたんだ」
「えっ____」
性格まで素直で可愛い。
それに、私のこと気になってたってなんでだろう。
「私も更衣室でお人形さんみたいな子いるなーって思って、話してみたかったんだー!」
「っ//////」
私が!?
思いがけない言葉に赤面してしまった。

