誰からも声をかけられることもなくポツンと座っていた須藤君。
ちょうど良かった。
一度ちゃんと話してみたかったし、どんな人なのか気になっていた。
「えっと、じゃあ_____」
何個か質問をして少し慣れたところで気になっていたことを聞いた。
「須藤君は好きな子とかいるの?」
「え__」
思いがけない質問に固まる須藤君。
そりゃそうだ、こんな女子同士の恋バナみたいな質問。
「あ…、えっと、気になってる人…は、います…」
「そっか。ありがとう」
笑顔で返したが心臓はバクバクだった。
やっぱり、気になってる子って…、ユナちゃんなのかな…。
だって須藤君が学校で女子と話してるところなんて、見たことないもんな。
そっか、須藤君はユナちゃんのことを。
気持ちがスッキリしたような、さらにモヤモヤしたような複雑な気持ちになりそのまま授業が終わった。
「なーなー、どんなこと話してたんだー?」
「普通のことだよ」
諒のことをスルーし、モヤモヤしたまま学校を終えた。

