まーが生きた証。


応接室は鍵を掛けなければならないらしく、

俺は式が始まるまで
職員室で待つことになった。


担任は椅子を用意すると言って
先に応接室を後にした。

それからすぐ俺は
荷物を持って外に出ようと
扉を開けた。


ガラ___


開けた瞬間女の顔が間近にあった。

女はすぐに離すと思っていたけれど
その距離が変わる事はなかった。

そして顔と顔の距離が
わずか5〜6cmほどで目が合った。


その瞬間、

「ぎ、ぎゃあーー!!!!!」


突然叫ばれ、
顔を素早く離された。

少し顔をムッとさせてみると


「ぁ…ごっ、ごめんなさいっ!!」

それに少し笑えたけど


『あんた、何組?』

そいつに真顔で聞いてみた。

「えっ…
6年A組…です、けど…」

不自然な敬語でそう答えるそいつ。


こいつ。
おもしれえ。


あの時の俺は
顔がクシャクシャだっただろう。

『まっ、よろしく。』

そう言い、
職員室の方に向かって行った。