side 真樹
桜の花びらは散り、
すっかり夏仕様になった校門前の木。
その門を通る。
見慣れない校舎。
でも今日から
ここが俺の母校ってやつになる。
七咲小学校…か…
正直言えば、
ずっといたところからの転校はしたくなかった。
でも、
俺にそんな事を言う権利はなかった。
これ以上
迷惑かけたらいけない。
それに、
文句を言える、立場でもない。
俺らのせいでこうなったんだから
こうなったのは、
全部俺らのせいだ…
父さんも母さんの事も…
俺は1人、まだ生徒のいない
校舎の中へと入って行った。
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