それからは
たまに話す程度になってきた。
これはこれで
大きな進歩なのかも…?
せっかく隣になったんだから
たくさん話して仲良くなりたい。
そんなふうに思ってならなかった。
でも皆はどうやって
真樹くんと仲良くなったんだろ。
考えてみたら、
真樹くんとあまり話してないのは
あたしぐらいのものだった。
あたし以外のクラスの皆は
男女問わず真樹くんと
どんどん仲良くなっていた。
でもあたしは…
たまに授業中、隣で勉強を教えているだけ…
それ以外の事については
会話もほとんどない。
そう言えばこの間
朝、勇気を出して
おはよう と言ってみたけれど、
帰ってきたのは
ん。 だけだった。
でも他の子に挨拶されたら
ちゃんと返していた…
なんで…?
なんであたしの時だけ
こんなに態度が違うの?
あたしと皆は何が違うの?
あたしの時だけ素っ気ないって事は
あたしの事嫌いなのかな…
そんな考えしか出てこなくて
その日は何も手がつけられなかった。
いつも最低1教科の勉強は教えているけれど、今日は無理だった。
自分の事すらろくにできなかった。
そんな事考えていると
横から
「はる?どした?」
朝美が声をかけてきてくれた。
あたしは朝美に
ここ最近の事を話してみようと思った
………けど…
『…ん?あ、
なんでもない!』
気づけばそんな言葉を口にしていた。
朝美には何故か
言ってはいけないような気がした。

